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ガラパゴスからの脱出

2012-09-04

ガラパゴスからの脱出

2012年9月4日
東京都中小企業診断士協会
三多摩支部国際部
栗山 忠樹

「日本辺境論」が議論されたのは最近だと思っていたら、世の中、ガラパゴスという言葉がやたらとはやっている。日本のおかれた状態を自嘲しているのか、それとも居直りなのか、いずれにせよ問題意識のなさに、非常に苛立ちを感じる。長年にわたり海外の商品技術を日本へ紹介してきて感じることは、世界経済の中での日本地位の没落は驚くばかりの速度で進んでいる。グローバルビジネスにおける日本企業のガラパゴス化、又は「引きこもり」は目を覆いたくなる。過去には「アズ・ナンバーワン」などと持ち上げていた欧米人も、日本はもういらないとばかり辛らつな批評をするようになった。戦後の輝かしい発展の遺産にしがみつき、グローバルな変化に自分たちを変えることが出来ない姿はガラパゴスの珍獣のように映り、まさに絶滅危惧種扱いである。

長年、日本の顧客こそ最高のパートナー、日本市場での成功なくして真の成功無し、と言い続けていた私にとって、今の日本企業は危機的状態にあると認めざるを得ない。「英語の通じない国」、「変な商習慣」、「細かすぎる品質管理」。これらの難題を乗り越えてでも日本企業と取引する会社はどんどん少なくなっている。

日本低迷の原因はすでに議論しつくされている。行き過ぎたものづくりへのこだわり、マーケティング軽視。国内市場偏重。分かっていてもなかなか解決しようとしない。私はやはり人事のグローバル化の遅れが、問題解決できない最大の原因だと思う。外国人の登用が無い、役員に外国人や女性が少ない。海外経験者が重用されていない。会社の戦略は40歳代、50歳代の男性中心に決定されており、その年代には外国経験、また語学力に乏しい人が多い。海外駐在で多くの経験を積んでも日本に帰ればやはり日本偏重主義に潰されてしまう。韓国、中国の若い人たちと話すと、仕事への意欲、世界を舞台に活躍するぞという気持ちに、日本人と格段に違うパワーを感じる。今は議論しているような場合ではない。すでに日本はグローバルな競争社会から取り残されている。国内市場だけでは生き残れない、仕方ないから海外へ行くではなく、経営戦略をグローバルマーケットをベースに練り直す必要がある。そして重要となるのは人事戦力である。短期、長期の戦略を問わず、日本企業に最も欠落しているのがグローバル人材である。具体的には:

1.役員会、意思決定機関における外国人の採用。ボトムから改革をするには症状が進行しすぎている。スピードを考えるならトップのグローバル化が必要。
2.中間管理職の教育、出来れば外国で経験を積む機会を作る。「忙しくて業務を離れられない」「語学が出来ない」これらの言い訳は通じない。
3..新人、若年層の採用において意識的に外国人、海外留学、駐在などの経験者を対象者に含める。

最近、超円高を背景にM/Aが再び盛んになってきた。しかし単純なる資本参加だけでは、急激に力をつけてきた新興国の企業には到底競争できない。グローバル化の必要性を理解できる人材に自らの組織に移植し、「引きこもり」状態から解放する必要がある。

以 上

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