日本で唯一の経営コンサルタントの国家資格を持つ中小企業診断士の集団です

韓国とのビジネスと韓国の人々の心

2013-06-22

韓国とのビジネスと韓国の人々の心

三多摩支部 国際部
飛田 光雄

 最近の日韓関係は、竹島問題や橋下大阪市長の「慰安婦」発言を契機とする反日的感情の再発などの難しい外交・政治問題が山積しています。その一方で韓流ドラマや韓国旅行は依然人気がありますが、どうやら「近くて遠い国」という状況はあまり改善されていません。これは日韓双方に責任があるでしょうが、意外に日本人は韓国社会や韓国人の考え方について知らない側面があり、それが双方の心のこもった交流とビジネスの発展を阻害しているように感じられてなりません。

筆者は、若い頃(1977年~81年)にソウルに駐在し、現在韓国三大財閥のひとつに成長したSKグループに出向していました。その後も韓国の方々との交流が続いています。当時の韓国は、まだまだ経済規模は小さいものの、「漢江の奇跡」と言われた目覚ましい発展をしており、その発展が現在まで続いています。その一方で、何かあると反日キャンペーンが行われ、「日本人とわかるとタクシーにも乗れない」様なこともありました。でも心配ありません。韓国語でしゃべれば、すぐに乗せてくれます。そうです、韓国語をマスターすることが、韓国を理解する上で極めて重要であり、かつ韓国の人々と仲良くなる近道です。私自身は駐在開始半年ほどで、かなりの程度韓国語ができるようになりましたが、その時から韓国の人々の印象、そして韓国でのビジネスが変わったと感じました。

一番最初に感じたことは、地縁・血縁・学縁といった人の繋がりをとても大切にすることです。日本は、大家族主義がすたれて個人主義的風潮が強まっていますが、韓国の人と韓国語(時には英語や日本語混じりで構いません)で話をすることで、すぐに心の扉を開いた話ができることがあります。いわば、信頼できる友人と認めてもらえるのです。そうなると、縁を大切にする人達ですから、ビジネスも順調になります。もっとも、親しくなると、韓国的な考え方から色々こちらが思っていなかった様な依頼や要求がでてきて困ることもあります。これを、民族文化の違いと理解して対応できれば、きっと長続きする関係が構築できます。

韓国と日本の間では、慰安婦問題以外にも、戦時中に学徒動員された「韓国女子挺身隊」問題があります。韓国の女子高校生が日本に連れてこられて、工場で働かされたがその賃金などの補償がされていない問題です。暫く前のことですが、たまたま、筆者の会社が、この「韓国女子挺身隊」問題を抱える会社を買収していたため、韓国駐在経験のある筆者自身がこの解決にあたりました。まず、地縁・血縁で、高齢の女性である挺身隊関係者に親しい学者の方を探し、次に本来筆者の会社はこの問題に直接関係していないこと。但し、人道的観点から「お見舞金」を考えていることをその学者に理解してもらい、関係者を説得してもらいました。筆者自身も何人もの関係者と面談し、短期間に解決できましたが、言葉と人の繋がりがあってこその解決でした。逆に関係者からは大変感謝されてうれしかったのですが、訪韓時に大量の韓国のりをいただき、トランクにはいらず困ったというおまけもありました。

また、義理に篤い、目上を敬う、親孝行する、など我々にも理解しやすい儒教の精神が生活の中に脈々と生きています。一例をあげましょう。2008年11月14日夕方、ソウルのシェラトン グランド ウォーカーヒルに韓国の政財界の要人、SKグループ幹部・OBが多数集まりました。SKグループ創設者である崔鐘建氏の没後35周年の追慕式が同氏の息子であるSKC会長崔信源氏の主催で開催されたのです。会場には、SKグループ創設期にソウルに駐在し、SKグループに貢献した十数名の日本人も特別招待されていました。筆者もその一人です。亡き父を敬慕する崔信源氏は、父親が世話になった日本人にまで心配りしてくれたのです。翌日には、我々日本人も参加してのお墓参りや父親の実家訪問も組まれていました。そして、筆者が帰国すると「故人もさぞや喜んでいることと存じます」と崔信源氏の心情を吐露した丁寧な礼状が届いたのです。

韓国の歴史を知り、文化を歴史的背景の中で理解すること、そしてできれば簡単な韓国語の日常会話をマスターし、韓国の人々の心の扉をひらくこと、そのような努力が実るとき、たとえ両国間に難しい政治・外交問題が存在するとしても、民間の人々の交流と相互互恵的なビジネス、信頼できるビジネスパートナーは必ずみつかると信じます。

                                   以上

会員紹介

三多摩支部事務所

中小企業の経営者様や起業準備中の方へ、BusiNestで無料の窓口相談を実施中です。ご予約はこちらから。
(一社)東京都中小企業診断士協会
三多摩支部
〒207-8515
東京都東大和市桜が丘2-137-5
中小企業大学校東京校東大和寮3階
BusiNest432号室

Menu

経営者の方へ

画像
会員が執筆したコラム・論文を掲載しています
画像
会員の出版物を掲載しています
画像
経営に役立つリンクを掲載しています

ピックアップ

研究会紹介