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シンガポールについて思うこと

2015-06-19

私にとって、シンガポールは思い入れの強い国です。駐在も含め30年ほどこの国の移り変わる様を眺めてきました。最初に訪れたのは、まだ、ブキス・ストリートに華やかで猥雑な雰囲気が漂い、カンポン(マレー語で集落の意)も残っていた時代でした。

2013年、久しぶりに何回目かの再訪。衝撃を受けました。特に、夜のシェントンウェイビル群の空間密度の濃さ(この頃、東京駅近辺にも感じますが)と日本人のステータスがかなり落ちていたこと(日系本屋の日本語本が激減していた!)は印象的でした。駐在時代の仲間たちとホッカセンタで、好物のラクサやチリカンコンでビールを楽しみながらも、「この国は、何処まで行ってしまうのだろう」と考えてしまいました。いつの時代も「シンガポールの奇跡・いまにバブルははじける」といわれながらも、時代に合わせた顔を見せてくれるシンガポールのバイタリティには改めて驚かされます。

 私は、経済統計の分析を趣味(業?)としていますので、シンガポールの経済についてマクロ的に見てみます。90年代後半、シンガポールは、横浜市と人口、面積、GDPで同じ規模とされていました。お洒落なショッピング街や歴史ある建築物群、活気ある港町という

共通点も多いです。下図は、両都市の2001年から2012年までのGDPと人口の推移です。

2001年当時は、同じ規模のGDPは、この12年で約2.3倍の格差が生じてしまいました。日本の失われた20年を改めて実感するとともに、シンガポールの取り組みにも興味が生じます。シンガポールの特徴は、労働力と資本の増強(輸入)にあります。シンガポールは,日本以上の少子高齢化社会とされていますが、この課題に対して、「近辺諸国の時限的な安価な労働力」と「中国、インド等の富裕層からの長期的な資本」を増強することで対処してきました。この結果が、「国民数は増えないが、人口は増える」ことになっています。

最近、少子高齢化の課題に対して、北欧をモデルに女性や子育て世代への投資の有効性が説かれますが、欧州で失敗している移民政策については、シンガポールがひとつのモデル(特に政治的な側面では)と考えられます。

 最後に、3月に偉大なる指導者であったリー・クアンユー氏が死去しました。ふと思い出したのが、夜のセントーサ島の豪華な投資マンション群。ゴーストタウン化したこの光景を象徴的に、今のシンガポールを、彼は、どのように感じていたのでしょうか。

(三多摩支部 中筋)

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