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最高速度と国民性

2015-08-02

最高速度と国民性

栗山忠樹

ドイツのアウトバーンで速度無制限区間を走っていると、こちらが160Km/時くらいで走っていても、横を難なく追い越して行く車が多い。軽く200K/時は超えているのだろう。ドイツ人は追い越した後、すぐに走行車線に戻る。日本のようにいつまでも追い越し車線に留まることは無い。追い越し車線にいつまでも居ると、早い車がすぐに団子になってしまう。日本では早い車も遅い車もみんな追い越し車線を走ろうとする。 それが渋滞の原因になり、行楽地に行く渋滞などでは走行車線のほうが早く進むことがある。

日本で高速道路の最高速度といえば通常80Km100Km/時と決まっている。さて何パーセントの人がそれを守って走っているだろうか?ほとんどの人は100Kmまでなら大丈夫だ、120Kmまでだとカメラにも映らないとか思って、いるのではないか。「速度超過、みんなでやれば怖くない」である。

ドイツでも速度制限はあるわけで、近年は制限区域が相当増えており、無制限から突然120Km/時区域が出てきたりする。その際今まで200Kmで走ってきた車も標識の前で急ブレーキをかけ120Kmにスピードを落とす。さらに80Km区域に入るとまた、きっちりと速度を落とす。規制区間を過ぎると再び思いっきりアクセルを踏み込む、その徹底さには驚かされる。トラックなどはどこでも最高速度が80Kmに決められているため、無制限区域も、120Kmも関係ない。何台ものトラックが繋がって、ずっと同じ速度で走り続ける。日本のようにトラック2台が2車線をふさぎ、乗用車が永遠にその後ろを走る光景はない。

日本では最高速度は一つの目安なのだろう。目安だからきっちりとそれを守る必要はない、これくらいのオーバーなら大丈夫。ほんの少しのオーバーで捕まったら、それはアンラッキーなのだろう。一方ドイツ人にとれば、速度規制は法律、制限のないところは自己責任で飛ばし、規制のあるところは確実に守る。ちなみに私が黄色信号で交差点を通過すると、ドイツ人同僚たちは金切り声をあげて驚く。黄色で通過するなど交通ルールを守らない野蛮人である。

話が少し飛躍してしまうかもしれないが自動車部品の分野で働く私にとって、日本の品質管理は厄介な問題だ。日本が培ってきた品質管理の技術が非常に厳格で、欧州のメーカーではそれをフォローできないためだ。日本の品質管理のシステムを高く評価する一方、そのシステムを維持するために膨大な作業を強いる日本市場に疑問を呈する専門家も多い。細かい品質管理ルールの維持のため書類作成と会議に膨大な時間を費やする。実情はどこかで現実との折り合いをつけるために苦労している。このあたりが私にとっては日本の速度制限の守り方に似ている様な気がしてならない。速度制限を一つの目安と考え、「現実はそれではね」、と考える日本人と、律儀に車線を変え、制限のないところでは自己責任の下、思いのままに速度を出すドイツ人を見るとき、両国民の国民性の違いを強く感じる。「日本人とドイツ人は似ているよね」という意見を聞くことがあるが、私は違和感を覚えることが多い。ルール作りとその実行については全く違う国民性がある。しかし両国以外の人から見れば、ドイツ人、日本人とも、どこかバカ正直なところがあり、それが相似点と映るのだろう。

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