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日本の安全保障貿易管理の基本

2015-09-30

日本の安全保障貿易管理の基本

三多摩支部国際部

佐藤和彦

 今回は海外事情ではなく、日本の安全保障貿易管理についての話をします。とはいえ、詳しくやると長くなるので、特に輸出を行っている企業や、それらの企業支援を行っている診断士が最低限押さえておくべきポイントに絞った形で説明します。

まず、安全保障貿易管理の目的ですが、核兵器や化学兵器など軍事への転用が可能な高度な技術が、大量破壊兵器の開発を行っている国や、テロリストなどに渡るのを防ぐためです。これは日本単独で行っているのではなく、先進国を中心に世界共通の枠組みを作って貿易管理を行っています。以前は、主に対共産圏向けのココムという枠組みで管理しておりました(1994年に解体)が、現在は対テロ対策を主眼として、「リスト規制」「キャッチオール規制」といった新たな枠組みが作られております。

リスト規制とは、輸出貿易管理令別表第1の1から15にある貨物、もしくは外国為替例別表の1から15にある技術を輸出する場合、経済産業大臣の許可を必要とする制度です。具体的にはミサイルなどの武器、原子力関連製品、炭素繊維などの先端材料や電子部品が対象となっています。これは輸出する「中身」に関する規制です。

次にキャッチオール規制ですが、輸出対象がリスト規制の対象外である場合でも、輸出用途及び、輸出相手が大量破壊兵器の開発などに用いられる恐れがある場合は、経済産業大臣の許可が必要となります。具体的には、輸出貨物もしくは技術が、外国ユーザーリスト(経済産業省ホームページから入手可能)に記載のある相手に輸出する場合が対象となります。

輸出を行う企業は輸出時に「リスト規制」「キャッチオール規制」の判定手続き(該非判定)を行う必要があります。そして、社内で判定手続きを行う統括責任者を選任することが義務付けられています。これは企業規模に関係なく、業として輸出を行うすべての企業に対して求められます。万一、上記に反した輸出を行った場合、行政罰、刑事罰の対象となる場合がありますので、注意が必要です。

また、忘れやすいポイントとして、貿易管理は製品だけでなく、技術(役務)も対象となる点が挙げられます。例えば、技術資料の海外取引先への送付(メールで送る場合を含む)や技術者の派遣・出張時にも、該非判定が必要となります。

ここでご説明したものは、本当に基本的な部分だけのものです。詳細については、公的機関(経済産業省系列の機関)が実施しているセミナーへの参加や、この分野に強い専門家への問い合わせをお勧めします。

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