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海外のペイメント事情

2017-08-09

東京都中小企業診断士協会
三多摩支部国際部
手塚 宏

 今回、クレジットカードの歴史についてお話をさせていただきます。昔は、クレジットを利用する際は、クレジットカードにあるクレジット番号、名前、有効期限を専用の紙に複写して利用していました。クレジットにいまだにその名残で名前やカード番号などが浮き出ししして作られています。(これを「エンボス」(浮き出し)といいます。)昨今、複写式はほとんど見かけなくなっていますが、その名残でいまだにクレジットカードにはこのエンボスが残っています。余談ですが、日本のSUICAカードやVIEWカードにはエンボスがありません。これは、エンボスが原因となり、券売機でカードを読み込む際に引っかかる可能性があることからエンボスを採用しなかったという背景があります。(もし、お手元にVIEWカードを持っている方は確認してみてください。)

ネットワークが発達すると決済は磁気リーダでの仕組みに変わっていきました。これはネットワークを介して、正しいユーザかどうかをセンターに問い合わせ、そのユーザが限度額を超えていないか、不正な利用は無いか等のチェックを行います。(これを「与信」といいます。)正当なユーザであることがわかると、お店の端末で決済が行われます。確証として、紙にサインをしてもらい、正当なユーザを確認します。ただし、磁気は簡単にコピーできてしまうという欠点があります。スキミングという手段で磁気情報をコピーし、簡単に偽造ができてしまいます。これによる不正利用が多いことから、産まれたのがICチップを搭載した決済手段です。カードにICチップを埋め込み、専用のカード読み器に差し込み、更にその場で暗証番号を入力することで、サインしなくてもカードが使えます。

現状、ヨーロッパではほとんどのお店でICチップが利用できます。ICカードの導入で不正利用が劇的に減少しています。ただし、ICでの決済には専用の決済端末が必要になるため、店舗の負担が大きく決済先進国である米国でもなかなか浸透していませんでした。しかし、米国では、2015年10月からライアビリティシフト(債務責任の移行)という制度が導入されることになり、IC化が加速しています。ライアビリティシフトというのは、古い決済方式を使っている店で不正が行われた時、「古い端末を使っていたあなたが悪いのだから、あなたが責任を持ちなさい」という制度です。今までは、不正利用に関しては、クレジットカード会社が負担していたのですが、それをお店側に転嫁するというものです。それは困るということで、お店側でもICカード対応の端末を導入するという動きになっています。

次に登場するのが非接触ICを用いたクレジットカードです。日本でいうところSUICA、nanaco、WAONのようなものです。これが、クレジット対応していると思ってください。これらのカードも徐々に利用が増えています。先ほどのライアビリティシフトを導入する際についでに非接触IC対応の決済端末を導入してしまおうということで、こちらも米国で急速に展開されています。特にiPhone6の発売からApple Payも非接触ICを利用しており、普及に一役買っています。今後さらに新たな仕組みが提供されより便利でより安心な仕組みになっていくものと思います。

日本でもApple Payが開始されています。将来、いつかは紙幣やコインが無くなる世界がやってくるのでしょう。

 

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