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新しいワークスタイルを支えるITツールの活用例

2020-06-21

三多摩支部国際部
森 裕信

COVID-19(コロナウイルス)の世界的流行により、世界規模でリモートワーク(Work from Home)の実施が求められるようになりました。私も企業に勤務する立場として、昨年度までは継続的なリモートワーク、在宅勤務という働き方をしたことは一切ありませんでしたが、4月初旬から2ヶ月半に渡りほぼ完全な在宅勤務を強いられることとなりました。この期間、リモートワークが既に本格的に導入されている海外の取引先の事例等も参考にしつつ、ITツールを活用した新しい働き方を模索してきました。本日のコラムではその一部をご紹介したいと思います。

1.オンラインホワイトボード(Miro)

みんなで会議室に集まって会議をする代わりに、Zoomなどのビデオ会議システムを使ってリモート会議をすることは日本でもこの数ヶ月でものすごく広まったのではないかと思います。またビデオ会議システムの画面共有機能を使って、パソコンの資料の画面をみんなで見ながら議論をする、というようなところまでは皆さん既にご経験があるかもしれません。しかし、もっと自由な議論をするために、まるで会議室でホワイトボードを囲んで、みんなで書き込みながらワイワイガヤガヤと議論することを、リモート会議でもやってみたいと思うことがありました。

「オンラインホワイトボード」を使えばこれが実現できます。私の職場では、「Miro」というオンラインホワイトボードを部署全員で使って、Zoomで会議をしながら、Miroのオンラインホワイトボードにいろいろ書き込みそれをみんなで見ながら議論をする、という会議のスタイルを確立しました。

2.社内WIKI (Confluence)

いつでも見られるように何かを掲示しておきたい時に、オフィスでは掲示板に張り紙をしたりすると思います。リモートワークでは、ネット上(ただし、IDとパスワードでログインしなければ見られないようにすることで、社内のひとしか見られないようにする場所)で。私の職場ではAttlasianというオーストラリアの会社が開発した「Confluence」というツールを使いました。誰もが掲示板にお知らせのポスターを貼るように、記事を書いて掲載することができます。他のひとが書いた記事に追記をしたり、訂正をしたり、更新をしたすることも簡単にできます。

3.ボイスチャット(Discord)

オフィスでは、正式に会議室で会議を開くほどでないけれど、隣の席のひとにちょっとした質問をしたり、ひとときみんなで雑談をしたりすることで、コミュニケーションを円滑化したり雰囲気づくりをしたりすることを日常的に行われていたと思います。しかしリモートワークでは、ビデオ会議をしていない時間は自分だけの部屋に閉じこもって誰とも交わること無く黙々と仕事をする空気になってしまいがちです。オフィスのような、別々に仕事をしているけれど、何かあったら気軽に声をかけられる状況をつくるために、ボイスチャット(Discord)をみんなで使ってみました。これを使うと、タクシー無線のように、オンラインで参加しているみんなが会話している内容をいつも聞くことができ、また自分が話したいときにはパソコンのキーを押してしゃべると全員に聞こえます(ボタンを押したときだけ相手に聞こえるように設定することができるので、独り言まで聞かれる心配がないのが良いところです)。自分の仕事に集中したいときは他の人の声が聞こえないように受信をオフにすることができます(そして受信をオフにしていることが他の人に画面表示でわかるようになっています)

以 上